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zoom RSS 日本フィルハーモニー交響楽団 第317回名曲コンサート

<<   作成日時 : 2007/10/15 19:20   >>

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10月14日     サントリーホール 大ホール

<指揮>アレクサンドル・ラザレフさん[日本フィル次期首席指揮者]
<ピアノ>小山実稚恵さん

チャイコフスキー:バレエ組曲《眠りの森の美女》
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》
(アンコール)ショスタコーヴィチ:”馬あぶ”より<ロマンス>
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi?action1=preview_details&seq=297
(「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」等についての、小山実稚恵さんのインタビューも掲載されています。)

ロシア音楽が得意な(?)日本フィルハーモニー交響楽団に、ロシアの重鎮指揮者、アレクサンドル・ラザレフさんが首席指揮者としていらっしゃる、ということで、ぜひ一度聴いて見たい、と思っていたのと、もう2度と生では聴けないかもしれないチャイコフスキー未完成交響曲「ジーズニ」と、同じテーマを使った「ピアノ協奏曲第3番」を、小山実稚恵さんの演奏で聴ける、ということで、大変楽しみにしていたコンサートでした。

このコンサートのチケットを購入した人は、「大人のためのオーケストラたんけん隊」にも参加できる、とのことで、早速申し込み。探検隊長は音楽評論家の奥田佳道氏。コンサートの数週間前に「指令書」なるものが届き、事前に自己紹介と隊長への質問を送付。当日は午前10時40分にサントリーホール楽屋口に集合〜12:40解散。(昼食は各自で。コンサートは午後2時開演。)

大人のためのオーケストラたんけん隊

楽屋口からホールの建物の中に入ったのは初めて。入り口付近で並んで待っていると、オーケストラの方々や、指揮者のラザレフさんが次々と到着。壁には、楽屋の割り振りが記載されていました。ソロコンサートマスターは個室なのですね。楽屋付近もリニューアルされて、少し通路が広くなったとか。通路壁には、なぜか同じ人がオーケストラ各パートや客席全て(?)に座っている、ユニークな大きな写真が。グランドピアノ1台が入る、大きく、大変ゆっくり動く楽器用エレベーターに乗り小ホールへ。小ホール横にある楽屋の中も見学できました。
その後、大ホール6番入り口前に集合し、小休憩を挟み、隊長の奥田氏のご挨拶と簡単なガイダンス。ゲネプロの曲順は、その時の状況により色々、等の説明あり。今日のゲネプロは「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」からスタート。

大ホールに入り、「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」のゲネプロ見学。ホールの中は、天井の反響板のデザインが変わったかな?? 小山さんはピアノの練習、オーケストラの方はステージや客席で各々練習。ラザレフさんの「Good Morning. おはようございます。」のご挨拶でゲネプロスタート。

今回の「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」は、1楽章だけのもの。その1楽章は、昨年全楽章が世界初演されたチャイコフスキー未完成交響曲「ジーズニ」の第1楽章と、ほぼ同じもの。このシンフォニーの中に、ピアノの演奏がはめこまれている、といった感じ。演奏が始まった途端、もう2度と生では聴けないかもしれない「ジーズニ」の生演奏を再び聴いているような気がして、本当に涙が出るほど嬉しく、懐かしかったです。「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」は、以前にCDでは聴いたことがありましたが、今回の演奏は、聴き慣れた「ジーズニ」に、テンポ・表情がそっくりで、正に「ジーズニ」を聴いているようでした。そして、「ジーズニ」では、この第一楽章が一番好きでした。小山さんのピアノも、日本フィルの演奏も、素晴らしかったです。
「ジーズニ」の生演奏は今後は聴けないのかもしれませんが、この「ピアノ協奏曲第3番」を、タニェーエフさんが完成された「ピアノとオーケストラのための《アンダンテとフィナーレ》」(これが、それぞれ「ジーズニ」の第2楽章、第3楽章と同じテーマですね)も含め、日本のコンサートでもっと頻繁に演奏されるようになると、この曲大好きの私としては、とても嬉しいです。本当に華やかで、チャイコフスキーさんらしい、名曲だと思います。交響曲5番や6番ほど崇高な感じはありませんが、「ジーズニ(人生)」というタイトルのとおり、私の人生の傍らにいつもチョコンと居てほしい、と思う一曲です。

余談ですが、今年の夏、エレクトーンのステージ(発表会のようなものです)があり、選曲にあたり、「今、一番何が弾きたいか」を考えた時、昨年からずっと思い入れのある「ジーズニ」となりました。きっと私の中で、昨年6月に日本ツアーで2回聴いて(http://34402263.at.webry.info/200606/article_3.htmlhttp://34402263.at.webry.info/200606/article_4.html)、8月にドブロブニク音楽祭で聴いて(http://34402263.at.webry.info/200609/article_3.html)、11月にDVDが発売されて(http://34402263.at.webry.info/200611/article_10.html)、それで終わり…、としたくなかったのだと思います。演奏時間は1人5分以内。各楽章に好きな使いたい部分があったので、DVDを聴きながら、各楽章のメインのテーマの部分を中心に耳コピー。そのメロディーとDVDの音声を頼りにコードを付け、さらにDVDの映像(どの楽器がどこを演奏しているか)も参考にしながらオーケストラ風エレクトーンアレンジを考えてつなげると、5分…。切り落としたくない部分も多々ありましたが、何とか使いたいメインのテーマは全てつなげてまとめました。
(チャイコフスキーさんご自身がほぼ完成させていた、という第一楽章が、ウネウネとつながっていて、一番切りにくかったです。第2楽章と第3楽章は、メインのテーマの部分がとても切り出し易く、コード進行もとてもシンプル。ここは、第一楽章に比べ、チャイコフスキーさんが残されたスケッチ(テーマ)を元に、作曲者ご本人とは別の人(クリモフさん)がシンフォニーという形にまとめたものだな、という感じがとてもしました。)
この「ピアノ協奏曲第3番」や「ピアノとオーケストラのための《アンダンテとフィナーレ》」、又は「ジーズニ」より先に出版された「交響曲第7番」の楽譜を取り寄せて参考にすれば、もっとアレンジは楽だったでしょうけれど、何しろ使う部分はほんの少しだったので…。
かくして、”チャイコフスキー:未完成交響曲「ジーズニ」” 私編曲版ができました。
(ちなみに、自分でアレンジしたものは、第2楽章が一番好き(一番良くできた)です。)

(話を戻して)ゲネプロを終了するときも、ソリストと指揮者は握手されるのですね。
上記の通り、色々な意味で自分の中にしみ込んでいる曲の生演奏を久しぶりに聴いて、とっても感激しながら、そして、「ジーズニ」のDVDが、またすごく聴きたい、と思いながらホールの外へ。

再び大ホール6番入り口前に集合。
隊長の、「今の曲、よく知っている、という人いますか?」の質問に、サっと手を挙げたのは、20人位いたその日の探検隊の中で私一人。(自信を持って手を挙げちゃいます!(笑))
隊長より、「ロシア音楽にお詳しいんですね。」と言われました…。
その後、隊長より、”今の曲”にまつわる下記説明がありました。

・チャイコフスキーさんが交響曲として未完でスケッチを残したものが元で、それは、「交響曲第”7”番(隊長はこうおっしゃっていました)」として復活させ、ロシアの指揮者や西本智実さんとかが指揮して演奏されています。
・チャイコフスキーさんは、弟子のタニェーエフさんに「ピアノ協奏曲第1番」を捧げるつもりで書いたが、初演はさすがに当時著名なピアニストであったルビンシュタインさんに頼んだが酷評され、結局アメリカで初演されて今日に至る。しかし、モスクワでの「ピアノ協奏曲第1番」の初演はタニェーエフさんで、「ピアノ協奏曲第2番と第3番」の初演は、どちらもタニェーエフさん。
・その後、ルビンシュタインさんと仲直りをし、「ピアノ協奏曲第2番」は彼に捧げるつもりだったが、ルビンシュタインさんがパリで亡くなってしまったため、世に出るのが遅くなってしまった。「ピアノ協奏曲第2番」は評判が悪かった。「第1番」が余りにも有名になり過ぎたからか?
(*最近私も、「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番」をCDで聴いてみましたが、確かに、あまり面白くない…、と感じました。)

ここで小山実稚恵さんもいらっしゃり、今の曲等についてのお話を伺いました。
「ラザレフさんは、管楽器への注文等、この曲についてはシンフォニーの様な音作りをされる。ラザレフさんの楽譜はソ連時代から使われている様な古いもの。この曲は”ピアノコンチェルト”という名前が付いているが、カデンツァにしても、シンフォニーから来ているのではないか、と思う。やはり元はシンフォニーだな、という感じ。
日本のオーケストラのゲネプロは”本番のミニ版”みたいなものだけれど、ロシアのオーケストラは本番で本気になると、ゲネプロと本番がかなり違うことが多い。」
質問者の方をまっすぐに見てお答えされるご様子から、とても誠実なお人柄が伺えました。

又、どういういきさつだったか、指揮者は本番前にバナナを食べる人が多い、というお話もありました…。

その後、ステージ裏見学へ。空のヴァイオリンケースがたくさん。お昼寝(?)されている楽団員の方も。隊長より「楽屋がこんなに明るいのは日本だけ。今回のリニューアルは、大ホールは壁を磨いて(削って)音響を良くした。」等の説明あり。小ホールの方が大掛かりにリニューアルされ、ステージも本格的に上げ下げできるようになったそうです。小ホールの新名称は”ブルーローズ”。

再び大ホール6番入り口前に集められ、隊長の「ロシア音楽の楽しみ方」のレクチャー。グリンカさんからショスタコーヴィッチさんまでの、主なロシア人作曲家の、主な作品年表が配布されました。以下、レクチャーメモです。

・「ロシア5人組」(力強い仲間)は、コルサコフさん、ムソルグスキーさん、ボロディンさん、バラキレフさん、キュイさん。キュイさんは曲の批評で有名。今の名曲の初演をほとんど批判していた。それは、「音楽の在り方」についての考え方の違いから来たものだった。
・今は”ロシア音楽”というと、チャイコフスキーさんが代表的だが、当時、チャイコフスキーさんは”西欧派”だった。
・ロシアにとってウクライナは、日本にとっての京都・奈良のような所。ウクライナはチャイコフスキーさんの音楽の一番近い所。ウクライナの民謡をテーマとして使った曲が多い。「アンダンテ・カンタービレ」や「トレパック」が代表的。
・ショスタコーヴィッチさんは、”赤いモーツァルト”と呼ばれ、天才的なピアニストだった。「ロシア」が「ソ連」になる頃、体制との関わりでうまく立ち回っていたが、今日演奏される「革命」は、本音の叫び、として作曲されたもの。今日はソロコンサートマスター 江口有香さんのソロが聴きどころ。

レクチャーの後はあらかじめ提出していた隊員からの質問に対する、隊長の応答。

Q:今日の演奏曲目にバレエ音楽があるが、バレエ組曲としてオーケストラだけで演奏する時と、バレエ公演で演奏する時では、同じ曲でも、指揮者やオーケストラの方々の意識や、実際にやる事はどのように違うのですか?
A:当然違う。バレエ公演の時には、指揮者はバレリーナの足元を見て振ることも多い(ジャンプのタイミング等に合わせるため)。組曲で演奏される時の方が、緩急が深く、音楽的だろう。

Q:アンコール曲の決定権は誰に?
A:ソリストのアンコールはソリストが。オーケストラの場合は指揮者の要望がほとんど。あらかじめ楽譜の準備も無く、突然「G線上のアリア」をやりましょう、という様なことは無い。今日もラザレフさんの要望で用意している。

Q:オーケストラの一日の練習時間は?
A:日本フィルの場合、1回のコンサートにつき、杉並公会堂で2〜3日間。午前&午後みっちり。

Q:外人指揮者は、オフの時間は何をしているの?
A:昭和初期ははとバスとか、京都観光だったが、今は基本的に自分で過ごしている。ビジネスミーティングや接待もあるが、事務局が外人指揮者のオフを管理する、ということは今は無い。

Q:オーケストラにとって、難しくて、ちゃんと演奏出来ない箇所はありますか?
A:あるでしょう。プロなので、よく練習して、うまく聴かせているでしょう。

以降、隊長の色々なお話。

・プログラムは基本的に指揮者がやりたい曲をやるが、一週間前後のプログラム、前後の曲の調性等を考えて決まる。これは事務局の腕の見せ所。
・プログラムが決まるのは1年位前で、練習を始めるのは3〜4日前が普通。
・初対面の指揮者が振る時はドラマ。オーケストラとの相性、というのはある。客席から見て分かり易い指揮が、オーケストラにとって分かり易い、とは限らない。
・金管楽器の数を数えると、オーケストラの規模が分かる。打楽器は無数にあるので、奏者が家から持って来たり、自分で作ったりする場合もある。
・コントラバスを持って電車に乗ることもあり。
・ラザレフさんの今の本拠地はイギリス。

最後に、アンケート用紙と日本フィル特製ステッカーを頂き解散。
…こうしてまとめて見ると、大変充実した内容の”たんけん”だったなあ、と改めて思います。隊長、日本フィルの事務曲の皆様、有難うございました!

コンサート

やっとコンサートの感想へ。コンサートはP席で。ラザレフさんの表情と様子がとても良く見えました。さすがに重鎮、どっしりと安心感があって、全指先(全曲指揮棒無しでした)から音の線が出ているのが見えました。
バレエ組曲《眠りの森の美女》の一曲目が終わったところで、何と客席に拍手を要求(笑)。

そして本番もとても楽しみだった「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」。小山さんはグリーンの衣装で登場。近くで見ているせいか、ゲネプロの時より熱がこもった演奏と感じました。今回、初めてこの曲に取り組まれたとは思えないほど、とてもよく”自分のもの”にされた演奏で、さすがに大変素晴らしかったと思います。5〜6回、拍手で呼び出されていました。しかし、オーケストラはゲネプロの時の方が全然良かったですね…。ゲネプロで上手に吹けていたのに、本番で、目立つところでどういう訳かミスをしてしまう…、ということが、プロでもあるのですね。これは、残念でした。
そして、サントリーホールはP席でも音が良いと思っていましたが、音の良い席で聴いていたゲネプロの時と比較すると、やはり音は良くなかったです。

最後の「革命」。たんけん隊で”聴きどころ”と言われていたソロコンサートミストレスのソロは、さすがに良い音ですね。しかし、この曲は、ミハイル・プレトニョフさん指揮のロシア・ナショナル管弦楽団の演奏(http://34402263.at.webry.info/200706/article_1.html)の方が好きでした。やはり、このようなとっても”ロシアらしい”曲は特に、ご本家ロシアのオーケストラから出てきる音(音楽)と、日本のオーケストラから出てくる音(音楽)には(いくらロシア人の巨匠指揮者の指揮であっても)、何か違うものがあるように感じました。

以上、この長い長い記事、自宅で書いている時には、「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第3番」のCDを聴きながら書きました…。










***** 国連世界食糧計画 パネル展 *****

WFPの学校給食プログラムを約40枚にわたるパネルや立体展示、映像などを用いて興味深く、分かりやすく展示しています。実際に学校給食の配給を受ける子供たちの絵画の展示もあります。   

■日時:  10月5日(金)〜11月5日(月) (平日のみ) 
10:00〜17:00 入場16:30迄(最終日入場15:00迄)
■場所:  UNギャラリー(UNハウス1、2階)   
http://www.unu.edu/hq/Japanese/access/index.html       
東京都渋谷区神宮前5-53-70
■入場:  無料
■主催:  WFP 国連世界食糧計画 日本事務所  
特定非営利活動法人 国連WFP協会  http://www.jawfp.org/
■協賛:  株式会社 リコー

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内 容 ニックネーム/日時
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